MifareカードはNXPセミコンダクター社が製造する非接触ICチップを搭載しており、全世界での累計出荷数は40億個に迫ると推測されます。FeliCaカードを日本の標準カードと呼ぶならば、Mifareカードは世界標準のカードと言えます。「ISO1444TypeA」という国際規格に準拠し、かつ昨今スマートフォンなどでも耳にするNFCというカードごとに依存しない規格が進んできたことから、FeliCaよりも安価に導入ができるMifareを採用するケースが増えてきております。
Mifareの種類
Mifare 1K
マイフェア1Kカードの特徴は、1Kバイトの十分なメモリ容量と世界で最も多く採用されている実績に基づく高い信頼性にあります。 FeliCaと違いICチップのメモリの構造があらかじめ決められています。 0セクターから15セクターまで、セクター毎に4ブロック(各ブロック16バイトのEEPROM容量)の構成になっています。
Mifare 4K
通常のマイフェアカードはメモリ容量が1Kバイトなのに対して、こちらは4Kバイト(ユーザ使用領域は3,440バイト)のメモリ容量を持ちます。セキュリティ設定や通信はマイフェア1Kと同じですが、メモリ構造が若干異なり、0セクターから31セクターまではマイフェア1Kと同様にセクター毎に4ブロック(各ブロック16バイトのEEPROM容量)を配していますが、32セクターから40セクターはセクター毎の容量が大きくなり、各セクターに16ブロック(各ブロック16バイトのEEPROM容量)を配する構造になります。
カードにログを残したい場合(例えばオフラインでの催事などでカードに購買/訪問履歴を残す)などでは有効なカードです。
Mifare Ultralight
SO14443TypeAに準拠したICチップでマイフェアカードの廉価版として開発されました。
このチップはセキュリティキーを持つことは出来ませんが、7バイトのUIDを持ち、ワンタイムライトやライトプロテクトなどの補助的な機能を持っています。そのため多くは電子チケットとして使われていますが、最近では通信インフラ能力の向上から7バイトのUIDを活用した認証カードとしても活躍しています。
Mifare 1K | Mifare 4K | Mifare Ultralight | ||
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通信方式 | ISO/IEC 14443 TypeA | |||
チップメーカー | NXP Semiconductors(旧フィリップス) | |||
動作周波数 | 13.56 MHz | |||
メモリー | データ容量 | 1024バイト (64バイト×16ブロック) |
4096バイト (64バイト×32ブロック) |
64バイト (4バイト×16ページ) |
データ保持期間 | 10年 | 5年 | ||
書き込み回数 | 10万回 | 1万回 | ||
外形寸法(縦×横×高さ) | 約54.0mm × 85.6mm × 0.76mm |
Mifareカードのエンコード
マイフェアスタンダード1Kカードは16層のセクターとセクター内の4つのブロックにあらかじめ分けられており、4つのブロックのうち一つはアクセス権限を決めることができます。各セクター及びブロック毎に権限の設定も可能です。これらの設定によってセクター内のデータを保護します。
※「Mifare」はNXPセミコンダクター社の登録商標です。